2006年09月25日

否定側の攻撃3 問題の原因は肯定側の言っているものではない

肯定側は立論の中で「現状には問題があり、その原因を分析し、それを改善するプランを提示する」ことが必要です。

今まで説明してきた否定側の攻撃は「現状には問題がある」というところに疑問を投げかけるものでした。今回の攻撃は「問題とその原因の関係」を否定するものです。

否定側は「『肯定側は現状にある問題の原因はこれだ』といっているが、それは正しくない。現状にある問題の本当の原因はこれだ」と別の原因を提示して肯定側の立論を意味のないものにしていきます。

否定側にこの攻撃をさせないためには肯定側は「現状の問題はこの原因がもとで起きている」ということをしっかり証明しなくてはなりません。

また否定側も「問題の本当の原因はこれだ」というのであればそれをしっかり証明しなくてはいけません。この場合は否定側にも証明責任があります。

いずれにしても肯定側も否定側も「現状の問題の原因は何か?」ということをいろいろな角度で考える必要があります。

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2006年09月23日

否定側の攻撃2 問題は肯定側のプランを採用しなくても将来解決される

たとえ現状に深刻な問題があったとしても、現在その問題を解決する改善策が進行中な場合、何も現状を変えなくても将来その問題が解決されることがあります。この場合肯定側のプランを採用する理由はなくなってしまいます。否定側は「すでに進行中の改善策で十分で肯定側のプランは必要ない」という攻撃ができます。

このように現状ですでに問題の改善策が進行している場合は肯定側は「今の改善策では十分ではない」ことを証明し「それを上回る効果的なプラン」を提示しなければいけないことになります。そうでないと否定側に「現状でやられている内容で十分だ」と言われてしまいます。

つまりディベートで言う現状というのは「現在存在する問題だけ」をさすのではなく「現在すでにやられている改善策」も含むのです。


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2006年09月18日

否定側の攻撃1 問題は存在するか?深刻か?

前回「否定側は肯定側の立論をいちいち疑ってケチをつければいい」と書きましたが。ケチのつけ方にもいろいろあります。そこで今回からしばらく否定側からの攻撃の方法を順番に説明したいと思います。否定側からの攻撃のポイントを知れば逆に肯定側は何を立論の中に入れておかなければいけないのかがはっきりするので肯定側の準備にも役にたちます。

否定側の基本的なスタンスは「肯定側の言っていることをいちいち疑ってそれが本当かを相手に証明させていく」ということです。これをCase Refutationといいます。Case refutationにはいろいろなポイントがあります。

まず最初のポイントは「現状に問題は存在するのか?」「そしてその問題は深刻な問題なのか?」という攻撃です。

例えば肯定側が「日本は所得格差が広がっていてそれは問題である」というなら否定側は「所得格差は本当に広がっているのか?」を投げかけなけます。肯定側が現状では所得格差が広がっているという証拠をだせなければ肯定側の立論の前提は崩れていまいます。

もしも所得格差が広がっているなら「それはどんな実害(harm)を生んでいるのか?そんなに深刻なのか?」という疑問を投げかけます。肯定側は「こんなに深刻な問題になっている」という証拠を出さなければなりません。

否定側は疑問だけでなく反対のデーターを出して問題の深刻さを否定することもできます。例えば他国のデータを持ってきて「日本の所得格差などは他の国に比べればずっと少なくてたいした問題はない」と言ったとします。肯定側はこれに反論しなければなりません。

もちろんこれらは肯定側の立論(constructive speech)の中に入っているべき内容です。しかしそれが肯定側からはっきり示されていないなら否定側は「それをきちんと証明してください」と言うべきです。もしも何も言わないと否定側は肯定側の言っていることをそのまま認めたことになってしまい。ジャッジは否定側は大切な論点を見落としているとみなします。

肯定側は誰もが納得する「現状の問題はこんなに深刻だ」という証明をしなければなりません。それがなければディベートはそもそもスタートしないのですから。
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2006年09月17日

burden of proof(証明責任)は推定無罪と同じ

ドラマティックディベートはディベートとは違いますがディベートの形式をとっているのでディベートの理論もわかっていたほうがいいです。

例えばディベートでは肯定側(affirmative side)は証明責任(burden of proof)をおっています。これはドラディベでも考え方は同じです。

burden of proof(証明責任)とは「肯定側が命題(proposition)を採択するべきだということを証明できなければ自動的に肯定側が負けになると」いうことをあらわしています。極端に言えば否定側が何も言わなくても肯定側の立論が証明できていなければ否定側が勝ちます。

これは刑事裁判と似ています。検察側は被告が有罪ということを証明できなければ被告は無罪になります。「犯人かもしれない、そうでないかもしれない」という場合は被告は無罪です。これを推定無罪といいます。被告が有罪になるのは被告が犯罪を犯しているのは間違いないと検察側が証明できたときに限ります。

ディベートも同じで、証明責任を負っている肯定側は「命題を絶対に採択すべきだ」と証明しなければなりません。逆に否定側は証明責任がないのですからずっと楽です。否定側は「命題を採択すべきでない」と証明しなくてもいいのです。「命題を採択する必要はない」と言うだけで十分です。要するに否定側は肯定側が言っていることをいちいち疑ってケチをつけていけばいいのです。

ドラディベの場合は「肯定側の立論を証明すること」が最も大切です。これができているかがどうかがドラディベの質の80%以上を占めているといってもいいです。そして質疑応答の時間では聴衆やジャッジから立論の内容にあれこれケチをつけられますからそれを一つひとつ明快につぶしていかなければなりません。
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2006年09月16日

ロジックだけでは人は説得できない

よく人を説得するにはロジック(論理)が大切という人がいます。もちろんロジックも説得の重要な要素であることは事実です。しかし、現実の社会ではロジックだけでは人は説得できないと思います。

私は人間は究極的には感情の動物だと思います。理屈では正しいとわかっていてもなんとなく賛成できないとか、あいつは嫌いだからあいつの言っていることはやりたくないということがほとんどだと思います。

すなわち説得するということは論理だけでなく、感情的に同意させることが大切だということです。だからドラマティックディベートではこの感情的に訴えるということを重視します。

たとえば「同情をひく」というのも大切な説得方法です。「こんなにこの人たちはひどいめにあっています」と訴えることにより聴衆の同情を買うのは効果的な方法です。例えばアメリカの裁判などではどのくらい陪審員の同情を買えるかが有罪、無罪を決定します。あちらの弁護士などは同情を得る話術にはとても長けています。

また「脅しをかける」というのも重要な手法です。「私の言うことをきかないとあなたはこんなひどいめにあいますよ、損をしますよ」と脅して自分に賛成させるのはビジネスや政治の世界ではよく使われます。

私は世の中を実際に動かしているのはロジックでなく感情だと思います。ロジックだけでは人は説得できません。私がドラマティックディベートで学んでもらいたいのは論理だけでは割り切れない感情を含んだ実用的な説得力なのです。
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2006年09月11日

配役で次に大切なのは専門家

前回はドラマティックディベートの配役で一番大切のは命題を採択されることにより得する人、損をする人という利害関係者だということをお話ししました。

しかし、こうした利害関係者が普通の一般人でそれだけでは弱い場合、利害関係者をサポートする専門家を登場させる必要があります。こうした専門家には例えば弁護士、その分野を研究している大学の教授、NGOなどの団体職員などが考えられます。

こうした専門家はその問題に対するつっこんだ質問などが来た場合に利害関係者を助けるために活躍します。また、肯定側、否定側の立場を強めるための権威づけのためにも役立ちます。

専門家の配役になる人は本当に難しい質問にも答えていかなくてはなりませんから、英語力もあり、その立場について相当深く勉強している生徒の方にやってもらったほうが安心です。
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2006年09月10日

配役で一番大切なのは利害関係者

ドラマティックディベートは普通のドラマと違ってプレゼンターは役に入ってその立場でディベートに参加します。そこで今回はどんな役を選んだらよいかを考えてみたいと思います。

ドラディベでよくいろいろな有名人を役に選ぶグループがありますがあまり意味はありません。役に入るのはドラディベをおもしろ、おかしくするためではないからです。役に入る目的はドラディベの命題をいろいろな立場にいる人の視点から見ることにより自分の問題としてとらえることです

この目的から考えるとドラディベの配役で絶対にはずせないのはその命題に関する利害関係者ということになります。すなわち肯定側は命題を採択されて得する人、否定側は命題を採択されて損をしたり困る人を配役に選ぶことが大切です。そしてその損得が切実であればあるほど命題に対する取り組みが真剣になります。

ドラディベで自分の役が決まったら是非こうした本当の利害関係者に話を聞きにいってください。本で読むだけと違って実際に話を聞くと本当のその人たちの気持ちがわかります。それを自分の中に取り込んでディベートの中で訴えていくとドラディベの内容がより真剣に伝わるようになります。
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2006年09月09日

命題の耐久性について

ドラマティックディベートの場合はグループごとに命題(proposition)を決めていくのですが、そのとき気をつけなければならないことに「命題の耐久性(durability)」があります。

耐久性とは「ドラマティックディベートを準備していく6ヶ月の間にその命題の重要性が失われない」ということです。

例えば「日本は皇室典範を改正し女系天皇を認めるべきである」という命題を4ヶ月前に決めたとします。今回、紀子さまが男子を産んだことにより、この命題の重要性は相当失われたといっていいでしょう。もちろん現在の状況でも「女帝を認めるべきだ」という意見もあると思いますが、皇室に皇位継承をする男子がいなかった当時とくらべると「女帝を認める必要性」はかなり下がってしまったのは事実です。

ですから命題を選ぶ場合、発表がある6ヶ月後のことも考えてその命題に関する環境が大きく変わる可能性があるものはさけたほうが無難なわけです。
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2006年09月05日

否定側が弱いと評価が下がる

「ドラマティックディベートでは最終的に肯定側が勝つように作るのが正しい」と説明しました。すると否定側をわざと弱くするグループも出てくる可能性があるます。しかしこれはプレゼンテーションの評価としては非常にマイナスです。

ジャッジは肯定側の主張を聞いたうえで自分だったらどんな反対意見を持つかということを想定します。否定側はこのジャッジや聴衆が想定するであろう反対意見をあらかじめ想像しプレゼンテーションに取り入れなければいけません。もしもその反対意見が否定側から述べられていないとジャッジはそのグループはその論点を見落としているという判断をします。

ドラマティックディベートの評価基準は「どのくらい深く広くその問題を掘り下げているか」ですから評価はずっと下がってしまいます。

ドラマティックディベートはボクシングの試合のようなもので、弱い相手をノックアウトできてもあまり意味はないのです。良いドラマティックディベートとはボクシングでいえば肯定側も否定側も強力でお互いに壮絶なパンチの打ち合いをくりひろげるようなものです。

ですからドラマティックディベートではまず肯定側を強力にして、それに匹敵するくらいの強い否定側を作りその否定側をさらに肯定側が打ち破っていくっていくように作ってください。簡単に肯定側が勝ってしまうようなドラディベはとても退屈です。
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2006年09月04日

否定側は抵抗勢力

肯定側の主張を支持してもらうのが目的ならなぜディベートの形式をとって否定側を作っているのでしょうか?それは議論を深めるためです。

以前はフィニックスでは肯定側の主張だけを訴える「ビジネスプレゼンテーション」という形式をとっていたのですが、これではプレゼンテーションの内容が一方的で薄っぺらいものになりがちだったのでこれを改善するために「肯定側の立場に反対する人たちの視点からもその問題を考える」ためにディベートの形式にしたものです。

現状を改革しようとするとそこには必ずそれに反対する人たちがでてきます。小泉さんの言葉を借りればいわゆる「抵抗勢力」という人たちです。ドラマティックディベートでは否定側はすなわち「抵抗勢力」の立場にいる人たちということになります。

「改革を推進する」ためにはこうした「抵抗勢力」をあるときは論破し、あるときは説得していかなければなりません。その練習をするのがドラマティックディベートの大きな目的です。

物事には二面性がありいろいろな見方があるものです。人はその立場によって改革推進者になったり抵抗勢力になったりします。そして「改革を推進する」ということはいろいろな立場にある人のことを理解することなしにはできないということをドラマティックディベートでは学んでいただきたいと思います。
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2006年09月03日

肯定側は改革推進者

ドラマティックディベートにおいては肯定側は現実の社会の現状の中で問題を見つけそれを改善するプランを提示します。すなわち肯定側は「改革の推進者」の立場にあるということになります。

もしも肯定側が負け、ジャッジや聴衆が否定側を支持するということになればその改革は失敗ということです。「現状は変える必要ない」という結論ですからプレゼンテーションとしては非常に貧弱な印象を受けます。

こう考えるとドラマティックディベートにおいては肯定側を強力にすることが重要であることがでおわかりいただけると思います。ですからドラマティックディベートでは肯定側の準備により多くのエネルギーを割くようにしてください。準備の時間としては肯定側が8割、否定側が2割くらいでちょうどいいくらいだと思います。

ディベートという名前がついているので誤解をしている方も多いのですがドラマティックディベートでは普通のディベートのように肯定、否定どちらが勝つかを判断する試合ではありません。基本はpropositionの内容、すなわち肯定側の主張があなたのグループの主張であり、その主張をジャッジや聴衆に支持してもらえるように作るのが正しい方法です。簡単に言えば肯定側が最終的に勝つように作るのが正しい方向なのです。

ですからドラマティックディベートでは肯定側にできるだけ強いメンバーを配置したほうがうまくいきます。それは肯定側は最終的には否定側やジャッジや聴衆の反対意見を論破し、相手側を説得しなければならないからです。
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2006年08月13日

あいまいな言葉は定義で意味を明確しよう

ドラマティックのトピックや命題を決めるときにその中にいろいろな意味にとれるあいまいな言葉が含まれているときは必ずその言葉の定義を肯定側のスピーチの最初に言って意味を明確にするようにしましょう。そうでないとディベートの中で言っている内容と観客やジャッジが考えている内容にズレが生じて混乱をひきおこしてしまう可能性があるからです。

たとえば「おたく」を問題とするのればあれば何を「おたく」と考えているのかはっきりさせます。「おたく」には辞書で調べてもいろいろな意味があり、例えば大辞林には次のように定義が書かれています。

おたく − 俗に、特定の分野・物事を好み、関連品または関連情報の収集を積極的に行う人。狭義には、アニメーション・ビデオ-ゲーム・アイドルなどのような、やや虚構性の高い世界観を好む人をさす。

最初のほうの定義では意味が広すぎるのでたぶん2番目の狭義の定義のほうだとおもいますがそれでもまだ意味があいまいなところがあります。「我々のグループのディベートでとりあげている”おたく”はこうゆう意味です」ということを明快に説明する必要があると思います。

また「格差社会」という言葉も最近はやりの新語で言葉自体がひとり歩きをしてしまっていますが、実際には何を「格差社会」といっているのかあいまいなところがあります。イメージ的には「収入が多い人と少ない人の差が大きい社会」ということでしょうが本当に「この意味でいいのか?」、またこの意味でも「どのくらい収入差があると格差があるといえるのか」などよくわからないところがあります。

世の中にはこうした「誰かによって作られた新語」が一時期もてはやされることがよくありますが、イメージだけが先行して意味が不明確なものが多いので注意が必要です。ディベートでは厳格で詳細な分析が必要なのでこうしたあいまいなものをトピックに選ぶ場合は討論の対象にしているのはいったい何なのかを最初にはっきりさせてからディベートに入るようにしてください。


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2006年08月12日

問題とproposiitonの関係について

今回は問題とproposition(命題)の関係について考えてみたいと思います。ディベートで問題と命題とは「現状になんらかの問題があってそれを改善するためにpropositionの内容を実行すべきである。」という関係になっているはずです。

普通のディベート(フィニックスのロジカルプレゼンテーションを含む)の場合にはまずproposition(命題)のほうが最初に提示されます。たとえば「日本は年金制度を一元化すべきである」という命題が与えられれば、なぜ「年金を一元化しなければいけないのか?」と考えます。「一元化されていない現状の年金制度にはなにか問題はないのか?」と考え現在の年金制度の問題点を探っていきます。

ドラマティックディベートの場合は順序が逆になります。まず「現状に何か問題はないか?」と調べて「これは改善すべき重大な問題だ」というものを選びます。それから「その問題を改善するにはどうすればいいのか・」と考え「どんなproposition(命題)にすればいいのか?」と考えその問題解決にあったpropositionを作ってやればいいのです。

「現状の問題から考えよう」というのはそういう意味です。
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2006年08月08日

propositionは賛否両論分かれるものが良い

proposiion(命題)はそれに対する賛成と反対がちょうど半々に2分されるものが望ましいです。なぜなら命題に賛成の人が多いようなものは、あたりまえすぎてディベートがおもしろくなくなってしまうし、反対の人が多いようなものを選ぶと肯定側の論理を納得させるのが難しくなってしまうからです。

ドラマティックディベートの評価はどれだけそのグループがその問題について深く掘り下げて議論をしてるかで決めます。そのためには命題は賛否両論が50%づつくらいに分けられるものがいいです。賛成、反対どちらかに偏ってしまう命題は議論を深めるのが難しくなってしまうからです。

ドラマティックディベートの発表はプレゼンテーションを聞いたあと、その問題のポイントが聞く前よりはっきりわかり、なおかつ肯定側、否定側どちらを選ぶかを迷うようなプレゼンテーションが一番すぐれているといえます。

一番ダメなのが否定側が圧倒的に勝ってしまうような発表で、これは肯定側の問題提起と改善案がまったく受け入れてもらえなかった場合で、プレゼンテーションとしては失敗です。

悪くはないがあまり評価がよくないのは肯定側が圧勝してしまう場合で、この場合は命題の問題設定があたりまえすぎるか、否定側の議論があまりに弱すぎる場合になります。

ドラマティックディベートの試合はボクシングの試合のようなもので、肯定側、否定側が一歩もひかず手に汗にぎる熱戦をくりひろげるようなものが一番評価が高いわけです。否定側は肯定側の論理の問題点を十分に批判し、肯定側はその一つひとつに的確に答える深い問題分析がされている発表にしなければなりません。そのためにも命題を選ぶ場合はすぐに賛成反対が決められないような賛否両論がまっぷたつに分かれるような難しい問題を選んだほうが深い議論を構築しやすいのです。
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2006年08月07日

現状にある問題を探すことから始めよう

ドラマティックディベートのpropositin(命題)を決めるにはまず最初に社会のなかでどんな問題があるかを考えます。propositionの内容は現状とは反対の内容になるからです。

例えば「日本は格差社会を是正すべきである」という命題は日本は格差社会であり、それは問題である」という前提にたっていますし、「NHKは民営化されるべきである」という命題は「公共企業体であるNHKには問題がある」という考えが背景にあるわけです。

ドラディベの中でまず最初にすべことはこの現状にある問題を明確に示すことです。そしてそれは重要な問題であり、それをすぐに改善しなければいけないということを強く訴えます。

この現状にある問題を示し、その重要性を聴衆にわかってもらうことに失敗するとそのディベートはその時点で失敗ということになります。なぜなら聴衆はその問題を考えなければならない理由がなくなってしまうからです。
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2006年08月05日

どんなpropositionを選ぶかが最も重要

ドラマティックディベートの場合はグループごとにpropositin(命題)を決めることができるのですが、その際どんなpropositionを選ぶかはとても重要です。

選んだpropositionがあつかう問題がどのようなものかによってドラディベ(ドラマティックディベート)の質が決まってしまうといっても過言ではありません。

propositionとはディベートの主題にあたるもので「A should do 〜」という形をとります。このpropositionに対して賛成の立場をとるのがaffirmative side(肯定側),反対の立場をとるのがnegative(否定側)になります。

例えばpropositiontは「日本は死刑制度を廃止すべきである」のようになります。肯定側は「現在日本で行われている死刑制度を廃止すべきである」という主張をし、否定側は「死刑制度は廃止すべきでない」と主張することになります。

次回よりpropositionを考える上で大切なポイントを考えていきたいと思います。
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2006年08月03日

ドラマティックディベートを学ぶ目的は?

今回はドラマティックディベートをすることによって何を学んでもらいたいかについて書いてみたいと思います。

私がドラマティックディベートをやる上でみなさんに最も学んでもらいたいことは問題解決能力をつけてもらいたいということです。

みなさんがどんな職業についたとしてもそこにはさまざまな問題がでてきます。その問題を認識し、分析し、原因を探り、解決方法を提示し、それを実行できるところまでもっていくことができる能力をつけることはとても大切なことです。ドラマティックディベートはその手法を学ぶ実践的な練習法なのです。

ドラマティックディベートは以下の順にすすめていきます。

1.社会の中の問題を発見し、その重要性を訴える

2.その問題を分析し、原因を探る

3.その問題を解決または改善する方法を考え提示する。

4.提示した方法に対する反論を打破する

それぞれのポイントを発表を見ている人やジャッジに納得して同意してもらえるようにしなければなりません。

次回よりもう少し具体的にそれぞれの点に大切なことを説明していきたいと思います。

2006年07月24日

ドラマティックディベートとは何ですか?

ドラマティックディベートは英国でおこなわれているドラマ教育、特にTheatre in Educationを日本の英語教育に応用するためにフィニックス英語学院で開発された教育プロジェクトです。私がイギリスで学んだ事項をもとに、日本やフィニックスの実情に合うように私(稲垣弘道)が工夫し、ドラマティックディベートと命名しました。

ドラマティックディベートはその名前のようにドラマとディベートの両方の要素を含んでいます。ドラマとディベートのどんな要素が含んでいるかを説明します。

まずディベートの要素ですが、全体の形式はディベートの形をとります。すななわち命題(proposition)があり、肯定側(affirmative)と否定側(negative)がその命題に賛成、反対の意見を展開します。ただし本当のディベートのように試合をするわけではなく、発表の形として前もって準備したものを見せる形をとります。

次にドラマの要素ですがディベーターとしてディベートをするときに、役に入ってするところが特徴です。すなわちそのディベートに関するいろいろな立場の人間になってディベートに参加します。たとえば死刑廃止の問題を考えるのであれば、被害者の家族や弁護士や犯罪学の専門家などになってその立場でディベートをするということです。

ドラマティックディベートはディベートの論理性を学ぶとともに、問題を役に入って考えることにより、いろいろな立場の人間を感情的に理解してもらうことができる点がすぐれているわけです。

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